ネット広告運用者がキャリアアップするために身に着けておきたい知識・スキル

ネット広告代理店から事業会社へ転職する前に身に着けておきたいスキル・知識

※本記事には一部PRを含みます

昨今、インターネット広告代理店が乱立しており、インターネット広告運用のスキルだけではキャリアアップしたり、転職して年収を上げていったりすることは難しくなってきました。

この記事では、インターネット広告運用者がキャリアアップしていくために最低限身に着けておくべき知識やスキルについて解説しました。

ネット広告代理店で9年働き、現在は事業会社のWEBマーケ担当として働く僕が広告運用者のキャリアアップに向けて欲しいスキルをまとめました

将来的にネット広告運用者からキャリアアップしていくときに必要なスキルをまとめました。

この記事は下記のような方におすすめです。

現在ネット広告代理店で働いていてキャリアアップしたい人
・事業会社でのマーケターなど領域を拡大していきたい人

目次

ネット広告運用者のキャリアアップの方向性の種類

ネット広告運用者のキャリアアップの方向性・種類

現職内でキャリアアップする

ネット広告運用者が現職内でキャリアアップしていくにはおおむね下記4つです。

①/②はよくある社内でのキャリアステップですが、会社によっては③/④のようなキャリアを積めることもあると思います。

①マネジメント側になってチームの目標を達成する
②ネット広告運用のスペシャリストとして、会社のレベルの底上げをする
③ネット広告で得た知識を活用して、営業やコンサル、事業戦略を考える立場になる
④社内での開発サービスなどのプロジェクトマネジメントをする立場になる

転職してキャリアの幅を広げる

ネット広告運用で得たスキルを基軸として他の職種に転職する人も少なくありません。

別記事でも書いていますが概ね下記8つの業界・職種に転職していきます。

①総合代理店でのメディアプランナー/営業
②事業会社でのインハウス広告運用者(中堅・大手が多い)
③事業会社でのインハウスマーケター(小規模ベンチャーが多い)
④ツールベンダー(分析ツールやクリエイティブ作成ツールなど)
⑤WEBマーケティング事業での営業(SEOコンサルやECサイト支援など)
⑥経営コンサル
⑦広告配信プラットフォームなどの媒体社
⑧他社インターネット広告代理店

どの会社に転職したいかによっても必要な知識・スキルは異なってくるので次のキャリアをどうするかについて考えながら周辺知識・スキルを身に着けていきましょう。

インタネット広告代理店や広告運用者が良く転職する業界・職種については下記でまとめているので気になる方はこちらも併せて読んでみてください。

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独立する

インターネット広告運用者は独立している人も多いです。独立した後は、一人で様々な業務をこなしたり場合によっては業務委託先をディレクションしたりすることが求められます。

独立を意識した場合に何をすべきなのか考えながら仕事に取り組みましょう!

ネット広告運用者がキャリアアップするために身に着けておきたい知識・スキル

ネット広告代理店から事業会社へ転職する前に身に着けておきたいスキル・知識

計測ツール・タグマネージャー(Google Analytics4)

GA4は多くの企業でも導入しているので使い方はもちろん、広告以外での分析に活用できる機会があればぜひその機会をつかんでください

広告以外に使う場面がない場合は自分なりに探索レポートを作ってみたりしながらどういう分析ができるか学んでいきましょう。

GA4の設定にもよりますが、サイト内部のどこまで行ったら離脱してるかみたいな数字が見れるので何でここで離脱しちゃうんだろうみたいなのを自分なりに考えて置いたり可能であればクライアントと議論できたりするとよいかなと思います。

最悪議論できないとしても、数字があれば自分なりに分析してみるのもいいし、同僚などと議論するだけでも面白いかもしれません。

タグマネージャーの設定も初歩的なものはできる限り覚えておくと役立ちます。

GA4の勉強をしたいならHappy Analyticsという会社をやられている小川卓さんの書籍がおすすめ。

わからないことがあった場合は、Googleのヘルプを見てもいいですが、紹介した書籍を書かれている小川さんの会社が運営されているGoogle Analytics 4ガイドを読んでみるのもおすすめです。

また、GoogleのGoogle Merchandise StoreというGoogle商品が売られているサイトのGA4が確認できるでもアカウントがあるのでこちらをみるとより実践的に学べると思います。

下記Googleのリンクからでもアカウントに移動できますので興味のある方は確認してみてください。

https://support.google.com/analytics/answer/6367342?hl=ja#zippy=%2C%E3%81%93%E3%81%AE%E8%A8%98%E4%BA%8B%E3%81%AE%E5%86%85%E5%AE%B9

LPO(ランディングページ最適化)

広告の遷移先として何かしらのLPを使っているはず。

その中でヒートマップツールはなんでもいいんですが使う機会があれば積極的に使っておきましょう。

なくても、どんな広告から流入していてユーザーの感情がどう変化するのか、広告からこのLPに飛んで違和感はないのかなどを考えることは可能です。

ユーザーがどの情報に注目していそうかやどこまでページを読んでくれているか、ボタンのクリック率はどの程度なのかなど分析して改善した経験が2~3あると面接で聞かれても話すことがあると思いますし、転職後にも活きると思います。

LPOの基礎を学ぶには下記本がおすすめ。

体系的にまとめられていて、あなたの業務にも役立つ知識や改善のアイディアが得られます。

SEO(検索エンジン最適化)

実務経験はなくてもどんなものなのかや、リスティング広告との違いなどは把握しておきましょう。

GoogleSearchConsoleを見て狙ったキーワードの検索順位がどうなっているのかやそもそもどんなキーワードを狙っていくのかなどはリスティング広告の運用にも通じるところがあると思います。

対象のKWに対してユーザーがどんな悩みを抱えていそうかなどを考えてバナーやテキストを考えることも、SEOにつながってくると思います。

SEOの基本だけでも抑えておけるとよいかなと思いますが、書籍で読んでおくといいと思います。

SEOのテクニック的なところはトレンドもあったりして実際にやっていないと追いつくのが大変なので大事な変わらない考え方を学ぶなら下記本がおすすめです。

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クリエイティブディレクション

クリエイティブのディレクションができるかどうかも広告運用者にとって重要です。

どのようなターゲットのどのような悩みに刺さるクリエイティブにするのか、競合よりも魅力的なクリエイティブにするにはどうするか、CTAは何にするかなど考えることは多岐にわたります。

自分なりのクリエイティブを考えるときの型・フローが決まってくるとかなり考えやすくなると思います!

ちなみにネット広告クリエイティブの改善方法やLPの考え方について下記本が参考になるので仕事でクリエイティブを考えるのが苦手とかLPをどう改善していいかわからないという人はこちらの書籍を参考にしてみてください。

自社・競合分析

インターネット広告代理店では広告主と広告主の競合にあたる商品・サービスの分析を行い、コンセプトや商品特性、アフターサポートの充実度など様々な観点で分析し、広告出稿の戦略を提案していく機会があると思います。

基本的には最終的に広告という観点に帰結してしまいがちだと思いますが、できるだけマーケティング戦略・事業戦略としてどうすべきかという視点を持ちながら普段から分析をしておくとよいと思います。

少し視点が違いますが、下記記事内で業界・企業研究について書いていて、この方法を使うと業界のマクロの動きや自社と競合の情報を整理して分析しやすくなるのでよければこちらの記事を参考にしてみてください。

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エクセル(V、またはHLOOKUP/SUMIFS/散布図 etc…)

事業会社にいけば、分析チームがいる場合もありますが、自分で手元でデータ集計をしていくことも多々あります。

エクセルがあればある程度のところまでやれると思うので、関数やグラフ、ピボットテーブルの組み方など基本的なスキルは覚えておきましょう。

ただ、エクセルの使い方は調べればわかるので、どちらかというとそれを使って何ができるか、何をしてきたかを重視してエクセルを使いこなしましょう。

エクセルでのデータ分析に役立つ関数などは下記本で把握できるので、この書籍を見ながら実際の業務で使っていくと新しい視点が見えて面白いです。

より実践的に分析をしていきたい人にお勧めな本になっています。

広告運用

当たり前ですが、インターネット広告代理店出身者のあなたには広告運用のスキルは当然あると思われます。リスティングやSNSなどは一通り経験しておけるとよいですね。

2023年現在だと、Google/Yahoo!/X(旧Twitter)/Meta/TikTokを抑えておけばおおむね網羅できていると思いますし他媒体を実施する時も困らないと思います。

WEB広告について特定の分野のみしかしていないという人は独学でも良いので勉強しておきましょう。

ひとつの広告媒体を極めていればその他の広告は書籍などで知識を入れるだけで十分応用が利きます。

WEB広告の勉強におすすめな書籍として下記記事で紹介しています。

WEBマーケティング全般が学べるようなものなど幅広く紹介しているのでよければ参考にしてみてください。

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HTML・CSS

HTML・CSSの知識があるとかんたんなフロントエンドの話ならついていけますし、タグ設置がしっかりされているかなども把握できます。

サイト内部もかんたんな記述なら修正できるようになります。

小さい事業会社であれば実際に自分でタグを設置したりする場面もあるかもしれないので知っておいて損はないでしょう。

HTMLとCSSの基本を理解したいならこちらがおすすめ。

ただたんにHTMLとCSSの構造や書き方だけでなく、ユーザビリティの観点から説明が入っているところが気に入っています。

シリーズとして実践編もあるようなので、実際に書けるようになりたい、LPくらい自分で作れるようになりたいと考えている人は実践編まで読んでみるとよいかと思います。

公式SNS運用

公式SNSの運用も事業会社への転職を希望する場合は知っておいて損はないですし、網羅的にWEBマーケティング施策が打てるようになりたい人はおすすめです。

公式SNS運用は当然ネット広告運用とは使われ方も目的も異なりますが、

・どのようなターゲットにどんなメッセージを届けたいのか
・どういった立ち位置で運用していくのか

・どの投稿がどれくらい見られていて次のコンテンツはどうすべきか

など考え方は広告運用にも通じるところがあると思います。

SNS広告経由で自社SNSに入ってくるユーザーもいるので、しっかりと運用しておくと広告経由でもフォローしてくれて長期的な関係を築くことができるかもしれません。

公式SNS運用でなかなか良い本が見つけれれなかったのですが、面白い事例などを知りたい場合は下記がおすすめ。

公式SNSでファンづくりをしていくために何をすべきかという観点で様々な事例が出ているので単純に読み物として面白いです。

プレゼン力

インターネット広告代理店から広告主に対して施策内容を説明したり、コンペでプレゼンをしたりする機会もあるかもしれませんがそれはどの会社に行っても役立つスキルです

社内で上司や部長、内容によっては役員にプレゼンをする機会もあるかもしれません。

プレゼンを行う機会があれば積極的に手を挙げて経験を積んでおきましょう!

ちなみに僕はプレゼンについて下記本を参考にしていました。スライドの使い方やどういうシナリオ・トークで話すのかなどのノウハウが77の項目でまとめられています。

77個全部やる必要ないと思いますが、参考になるところが多いので良ければこちらを読んでみてください。

また、プレゼンだけではないですが、ビジネススキルとしてのコミュニケーションやディスカッション、セールス、プレゼンスキルなどを体系的に学べるスクールも存在しています。

テレビや雑誌などでも取り上げられているので目にしたことのある方もいるかもしれませんが、【コミュトレ】というサービスがあるので興味のある方はこちらを見てみてください。

無料のコミュニケーション診断セミナー・説明会であなたのコミュ力の強みや課題がわかる診断結果をプレゼントしているのでまずは無料のものを受けてみてください。

社内営業力

どの会社に行っても必要なのが社内営業力です。調整力といってもいいかもしれません。

各部署のキープレイヤーが誰なのかを見極める必要があります。大きな施策や他部署を巻き込んだ施策を打つこともあるので、社内営業を行う時間も増えます。

社内営業の大事さや仕事をうまく回すうえでの根回しについて元LINEの執行役員田端さんの本で書かれています。

社内での仕事がうまく進められなくて困っている、実施したいプロジェクトを円滑に進めたいと考えている人はこちらの本を読んでみてください!

教育

教育なんて必要なの?

と思われる方もいるかもしれませんが、インハウス広告運用の部署を立ち上げる際は、当然広告運用者を採用するか教育するかのどちらかになってきます。

マネジメント側になる際も教育は必要なスキルになってきます。教育してもらう前提になっていれば、面接で教育経験や教育の過程で工夫していることや気を付けていることなどを聞かれる場面もあるでしょう。

ネット広告代理店は比較的新卒を取っている会社が多いので、面倒だと思わず教育担当をしていくと自分の知識も深まってよいと思います!

財務関連知識

インターネット広告の仕事は

企業の認知向上からユーザー獲得までの集客を企業が必死で稼いだお金を活用して収益を最大化していく

のが主な仕事です。

・企業にとってこの広告予算は企業にとって適切なのか無理していないか
・商品/サービスを制作するのにどの程度のお金がかかっているのか

など企業の収益状況や財務状況などを把握し適切なKPIや広告予算を設定していくのもポジションによっては重要ですし、事業全体を見ていくような仕事にもつながります。

財務状況を把握するには簿記の知識を学ぶと良いです。

僕自身も簿記2級を取得しておりざっくりとした財務諸表の読み方は理解しています。

簿記をなぜ勉強する必要があるのか、どのように勉強するべきなのかについては下記記事で書いているので、簿記を学びたい方はこちらも併せて読んでみてください。

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マネジメントスキル・経験

ネット広告運用者は3~10名程の小規模なチームを組んでいる場合も多くマネジメント経験が積みやすいです。マネジメント経験はどの企業も欲しがるスキルのひとつなので経験できそうな場合は積極的に実施しておきましょう。

小規模のマネジメントの場合はプレイングマネージャーとしての立場が多いので大変かと思いますが頑張りましょう!

じめてマネジメントを経験するという方は、管理職1年目の教科書という本が大変参考になるのでおすすめです。管理職の役割とは何かやどう仕事を任せてよいのかなど管理職になってわからないところを36の項目で説明してくれています。

マーケティング戦略

ネット広告運用をしているだけではなかなかマーケティング戦略にたどり着けないかもしれません。代理店にいる方は顧客がどのようなマーケティング戦略を立てているのか知れる機会があれば知っておきましょう。顧客のマーケティング戦略を知っておくことでより課題に寄り添った提案ができるようになります。

事業会社にいる方はマーケティング戦略を見る機会、または考える機会、質問する機会があります。積極的にかかわって俯瞰的にマーケティング全体を見てあなたのポジションでは何をすべきかを考えておくと良いでしょう。なぜそのようなマーケティング戦略になったのかの背景やどう決断したのかヒアリングしてみると理解が深まります。

マーケティング戦略を考えるうえで参考になる書籍としては顧客起点マーケティングがおすすめ。たった一人のN1を分析する顧客起点マーケティングから顧客化、ロイヤル顧客化していくアイディアを掴めます。

【まとめ】重要なのは課題発見力と解決に向けて実行できる力

重要なのは課題発見力と解決に向けて実行できる力

いろんな知識やスキルを羅列しましたが、一番大事なのは

課題を自分で見つけていく力とそれを人を巻き込んで解決に向けて動ける実行力

だと思います。

小手先の知識やスキルはあった方がいいですが知識は調べればわかってきます。

事前に知っておいた方がいいこと、経験しておいたことを上げ始めたらきりがありませんし、すべてを完璧にしてからだとかなりの時間を費やしてしまいます。

知識・スキルは必要ではありますが不可欠なものではないのでいつまでも

もっとこの知識・スキルを身につけなければ、、、

と不安になって身動きが取れないのだけは要注意です。

インターネット広告代理店では自分の業務範囲内にとどまらず様々なことを経験しておくとよいことがあると思います!

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この記事を書いた人

元ネット広告代理店勤務で現在はとあるサービスのWEBマーケ職。代理店から事業会社への転職経験をもとにブログを書いてます

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